えちご「えちご」は宮川町にある居酒屋。紺地の暖簾をくぐり横引きの扉を開けると鰻の寝床のような店内にカウンター8席と6人掛けのテーブル席がある。 女将さんが驚いたように迎え入れて下さる。 カウンターには大皿に盛られたタケノコの煮物や鮭のオリーブオイル焼き、金目、鰤などが並ぶ。 入口に近い席に座り、まずは日本酒を熱燗で頂く。 酒は菊正宗。 お通しは切り昆布の煮物だった。 何か召し上がりますかと言うので金目の煮物をお願いする。 大皿から切り身をとると慣れた手つきでつくり始めた。 無駄のない動きは小気味よい。 程なくして出てきた煮物は照りのある甘目のたれで、口に優しい。 添えられたネギも味わい深いものであった。 土日は昼間だけの営業で競馬にこられるお客さんが多いものの、うちのお客さんはみんないい人だからと太鼓判を押す物言いが、実に温かい。 「えちご」の女将さんは寒空に香りを放ち始めた沈丁花のような方だ。 締めて¥2300也。 (2006.3.13) |